海中から垂直にそそり立つ標高163mの烏帽子山は、雲見のシンボル的存在で、御嶽山(おんた けさん)・雲見ヶ嶽(くもみがたけ)とも呼ばれているそうです。 山頂には、雲見浅間神社の本殿があります。 本殿上の展望台からは、海上に目立つ三角錐型の奇岩千貫門・波勝崎が見え、天気が良いと富 士山から南アルプス、駿河湾越しに御前崎方面までみえます。 ● 雲見浅間神社 烏帽子山中腹に拝殿そして山頂に本殿があり、雲見神社や御嶽浅間宮(おんたけせんげんぐう) とも呼ばれています。 富士浅間神社の祭神・木花開耶姫((このはなさくやひめのみこと)の姉の磐長姫命(いわながひ めのみこと)が祀られています。 全国におよそ2,000社あると云われる浅間神社の中でも珍しい、磐長姫尊のみを祀る神社です。 ● 富士山の木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと 妹)と烏帽子山雲見 浅間神社の磐長姫命(いわながひめのみこと 姉)の伝説 (江戸時代の国学者、本居宣長の古事記伝に記されている話) 美人の妹(富士山)に嫉妬した姉(烏帽子山)がいじけて雲見に逃れ小さな岩山にまつられました やさしい妹は姉を心配して背伸びをして捜したので、益々背が高く美しくなったそうです。 雲見の里人は、磐長姫命に遠慮して富士山へは登らないとのこと。 烏帽子山が晴れる時は富士山が雲に覆われ、富士山が晴れると烏帽子山付近の天気が悪くな る、とか、 烏帽子山で秀峰富士山を誉め賛えると振り落とされるとか、逸話も絶えないそうです。 * (烏帽子山/高通山北側展望台から)・・(雲見浅間神社) ● 雲見浅間神社にまつわる昔話「木びきの善六」 (浜田広介監修・執筆「ふるさとのはなし・東海地方) 昔、伊豆のある村に善六という名の若い木びき(製材職人)がいて、体格がいいのに力がなく、 仕事ものろいので仲間たちから「あいつは木びきじゃなく小びきだ」と馬鹿にされていました。 そこで善六は雲見浅間のおこもり堂で、7日間断食の行を続け、「どうか石もらくらくひけるほど の力をお与えください」と、ひたすら祈りました。 その結果、石をらくにひけるようになったのですが、木をひくことが出来なくなりました。 やがて善六は「石が切れるように祈ったのは間違いで、木をひけるようにと願をかけなければ」 と気づき、改めて雲見浅間にお祈りをして、生まれ変ったような木びき名人になりました。 その後、江戸に出た善六は深川の木場でさらに木びき職人としての腕をみがき、8〜9年後にお 金をためて村へ帰ってきました。 天城山中で木びきの仕事をはじめようとしたところ、かたわらに同じ仕事をしている童子を見か け、二人でひきくらべをすると、童子の早わざに善六は追いつけない。 そのときやっと、「自分の力を自慢しようと思ったのがいけなかった。これはきっと雲見浅間の神 さまが童子の姿で現われ、いましめてくれたのにちがいない」と気づきました。 童子に向かって思わずひれ伏した善六が、恐る恐る顔をあげてみると、そこにはもう童子の姿 は影もたたちもなかった・・・そうです。 (松崎町HPより) ● アクセス *車の場合 「雲見浅間神社コース」に、「東名高速沼津IC」から「雲見浅間神社駐車場」まで記載。 *電車・バスの場合 伊豆急下田駅から「松崎・堂ヶ島行バス」で50分、 松崎で「雲見入谷行」に乗り換えて20分、「雲見浜」で下車。 (山道などが変更されている場合もありますのでご注意ください) (画像をクリックすると、大きくなります) ● (ホームへ) ● |