(男鹿水族館HPの展示フロアをお借りました) (画像をクリックすると大きくなります) |
<< (2)日本の海水魚2 >> * 戸賀湾の魚 水温10〜25度 水族館のすぐ側にある戸賀湾は42万年前の火山活動でできた火口の西半分が入り江に なったものです。 湾内は砂地が多く、四季折々様々な魚が観察できます。 マダイ 分布:北海道以南(沖縄を除く) 稚幼魚期には内湾や沿岸の藻場、砂礫地で生息する。 しかし、2〜3年魚は水深30〜200mの外洋の深みや大陸棚まで移動する。 マアジ 分布:北海道以南の日本各地 1歳で15〜18cm、3歳で30cm前後に成長する。 昼行性で、摂餌は主に明け方と日没直後に活発となる。 コモンフグ 分布:北海道以南 水深100m以浅の砂泥底に生息する。 ホンダワラの生えている沿岸の岩礁に多く見られる。 皮や内臓に強い毒を持っている。 マフグ 分岐:北海道以南 水深200m以浅の砂泥底に生息する。 体長30cm以上になると成熟し、3〜4月に沖合で産卵する。 皮や内臓などには毒がある。 * 藻場の魚 水温16〜20度 海には外洋、砂場、岩場、藻場、サンゴ礁などいろいろな環境があります。 「藻場」は魚たちの隠れ家、産卵場として「ゆりかご」の役割をしています。 豊かな海をささえる重要な場所です。 アミメハギ 分布:青森県以南 網目もようが特徴のカワハギの仲間です。 夜は海藻に住みつき流されないようにして眠る。 ナベカ 分布:北海道南部〜九州南部 潮溜まりなどでよく見ることができる。 オオヘビガイの殻や岩のすき間を好む。 ホンベラ(雄) 分布:下北半島及び佐渡島以南(沖縄県を除く) 内湾性で、海藻が生い茂る岩礁付近に生息する。 雌雄で体色が異なり、雄は鮮やかな緑色や水色などが帯びている。 ホンベラ(雌) 分布:下北半島及び佐渡島以南(沖縄県を除く) 雌や幼体の体色は淡緑色である。 しかし、紅藻類の茂みに生息するものは赤みが強くなる。 ウミタナゴ 分布:北海道中部以南 卵ではなく子供を産む習性がある。 産まれてくる稚魚が逆子のため、縁起が悪いとして妊婦に食べさせない地域がある。 ゴンズイ 分布:本州中部以南 口の周りに8本のひげああるナマズの仲間。 数十匹から数百匹が集まって「ゴンズイ玉」をつくる。胸びれと背びれに毒を持った棘がある。 ニジギンポ 分布:下北半島以南 ホンダワラやアマモなど海藻の周りに生息する。 かき殻や岩穴などに産卵する。 タカクラタツ 分布:青森県以南 沿岸の浅い岩礁域や藻場付近に生息する。 背中側に3個の黒色点を持つことが特徴だが、不明瞭な場合が多い。 ギンボ 分布:北海道南部以南 潮間帯から水深約200mの砂泥地などの藻場に生息。 眼下に暗色横帯がある。 食用であり、てんぷらで食べられている。 カワハギ 分布:島根県中海及び東京湾以北 肉は淡白で美味、ちり鍋、煮つけなどにして食用となる。 雄の背びれ前部の軟条は糸状に伸びる。 ウマヅラハギ 分布:北海道以南 若魚のころは群れをつくるが、成魚になると単独行動になる。 カワハギに比べて細長い。 食用種で刺身、煮つけなどにして食べる。 * 貝殻を持つタコの仲間 フネダコ 別名タコブネと呼ばれ、世界各地の温帯域、熱帯域を海流に乗って移動します。 雌は腕の先端から貝殻を作ることができ、この中で産卵した卵を保護します。 ミズダコ 分布:本州北部以北 タコの仲間では最大種で、大きいものでは体長3mにもなる。 初夏が産卵期で、約6ヶ月でふ化する。 男鹿の漁期は1月末から6月である。 ミズダコ 水温9〜13度 タコは「軟体動物門 頭足網 八腕形目」に分類され約200種類います。 タコといえば知らない人はいないといえるほど馴染みのある海洋生物で、世界で水揚げされてい るタコのうち約60%は日本で食べられています。 ひとくちメモ(頭足類とは) タコやイカは生物学的に「頭足類」といいます。 頭足類と呼ばれる理由はその形」にあり、「足(腕)」「頭」「胴」の順番で構成されています。 ひとくちメモ(夜行性) タコは夜になると活発に活動し、エサを捕ります。 夜、活動する習性のことを「夜行性」といい、昼に活動する習性を「昼行性」といいます。 私たち人間は昼行性です。 タコの大好物はエビやカニなどの甲殻類です。 エビやカニも昼間は岩陰に潜み、夜になるとエサを求めて動き出す夜行性です。 このエビやカニを狙ってタコは活動します。 男鹿水族館では夜間の活動的なタコを見ていただこうと照明を暗くしています。 * 岩場の魚 水温10.0〜12.0度 海中の岩場は、天敵や荒波などから身を守るのに適しているため、多くの生物が生息してお り、産卵や子育ての場としても生物たちに利用されています。 中には、周りの岩やそこに生える海藻に姿を似せて(擬態)自分の身を守り、その存在に気付 かずに近づいてきた生物を捕食するものもいます。 ウスメバル 分布:北海道南部〜関東 稚魚の頃は流れ藻につき、大きくなると深場に移動する。 食用種で煮付け、塩焼き、刺身などにする。 オオカミウオ 分布:岩手県以北、日本海北部 両顎にある犬歯状の歯で、貝類や甲殻類などを捕食する。 秋に産卵し、親は卵を体で巻いて守る。 メバル 分布:北海道南部〜九州 大きな目が特徴である。 「春告魚」とも呼ばれ、春が旬な魚である。 ヨロイメバル 分布:岩手県以南、新潟県〜朝鮮半島南部 沿岸の岩礁域や藻場に生息する男鹿周辺ではよく釣れる。 フサキンポ 分布:兵庫県以北、岩手県以北 岩の間などに入り込む習性がある。 産卵期になると、オスの体色が黒くなり、メスは卵を保護する。 ナガツカ 分布:山陰以北、茨城県以北、オホーツク海 4〜6月に岩礁域でソフトボール大の卵塊を産み、雄は卵を保護する。 ニジカジカ 分布:島根県以北 体表はなめらかでウロコは 雄は縄張りをつくり、雌を誘 させる。 * トラフグ 水温11〜13度 展示協力:秋田県水産振興センター トラフグは食用としての価値が高く、フグ類の中でも最も高価な種であり、延縄漁法(はえなわ ぎょほう)などで漁獲される。 また、最近は養殖も盛んである。 秋田県水産振興センターも種苗生産を行っており、実験に供したものを今回展示。 トラフグ 分布:日本海西部、室蘭以南の太平洋沖水 水深200m以浅に生息する。 幼魚は内湾の砂泥地で過ごし、孵化してから満1年を過ぎると外海へと移動する。 70cmほどまで成長する。 北限の天然ふぐ トラフグ あまり知られていませんが・・・ 男鹿半島にはトラフグの産卵地があり、水揚げ量も東日本トップクラスを誇ります。 北緯40度の男鹿半島沖はトラフグの産卵地として国内最北限に位置しており、このことから秋田 県では「北限の天然ふぐ」としてブランド化しています。 * 川と海を行き来する生き物たち 水中に住む生き物たちの中には川と海を行き来する生き物がいます。 これらの生き物は意外と多く、以下の3つに分けることができます。 産卵のために川から海へ移動するもの(降河回遊性)・・ウナギ、カジカ類など。 産卵のために海から川へ移動するもの(遡河回遊性)・・サケ類、シシャモなど。 産卵に関係なく川と海を行き来きするもの(両 回遊性)・・アユ、ボラ、アカテガニなど。 コメツキガニ 分布:北海道南部以南 河口や内湾の砂泥地に集団で生息。 直径約5mmの巣穴を持ち、干潮時に現れる。 砂泥を口元で転がしながら有機物をこして食べ、残りの砂を団子状にする。 * 硬骨魚類・軟骨魚類 水温12〜16度 魚には大きく分けて2種類の魚がいる。 柔らかな骨(軟骨)しか持たない軟骨魚類と硬い骨(硬骨)も持つ硬骨魚類に分けられる。 軟骨魚類はサメやエイの仲間が含まれ、硬骨魚類にはスズキやマダイなどが含まれる。 エビスダイ 分布:本州中部以南 鱗が大きく硬いのが特徴である。 別名グソクダイ、中国で日本骨魚と呼ばれている。 マツカサウオ 硬骨魚類 分布:北海道以南 下顎の先端部に発光バクテリアが共生し、弱い光をだすことができる。 トラザメ 分布:北海道南部以南 最大でも全長50cmしかならない。 卵生で一度に2個の卵を産卵し、孵化までに7か月以上かかる。 (画像をクリックすると大きくなります) ● (入口へ) ● |