(4)野外展示物(D)・(C)

                          



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   ● 野外展示物(D) 板碑


                              



   ● 野外展示物(D) 山吉講富士登拝記念碑
        富士山に対する信仰は原始的な山岳信仰として旧くから存在したが、庶民の間に冨士登拝の風習
       が盛んとなったのは富士の行者・食行身禄(じきぎょう・みろく)が現れて庶民の救済の教義を提唱した
       十八世紀以降のことである。
       食行身禄の弟子たちは独立して講を結成し、さらにそこからは多くの枝講が生まれることとなった。
       こうして、冨士講は十九世紀の初頭にその隆盛期を迎え、俗に「江戸八百八講」と呼ばれる程の発展
       を遂げたのである。
        当冨士登拝記念碑は、三軒茶屋の冨士講(=山吉講)先達の堀江兼吉が、講中の三十三回冨士登
       拝を記念して屋敷地の一角(現・太子堂4丁目438番地付近、茶沢通り路上)に建てたものである。
       また、その際、北口本宮冨士浅間神社(現、富士吉田市)の境内にも、もう1基記念碑を建てており、そ
       れも同所に現存している。
        堀江家は「三軒茶屋」という地名の由来となった三軒の茶屋の1つ田中屋を経営した旧家である。
                 平成5年(1993)3月 世田谷区教育委員会


                      



   ● 野外展示物(D) 道標
        銘文
          (左側面) 右 登戸道
                     本願主  石田十右衛門
          (正面)  左 延享3丙寅年
                     さがみ □吉日
               (梵字) 大山道 世田谷上宿同行五十人
       年代  延享3年(1746)
       伝来
          この道標は、もと弦巻5−16−31の三叉路にあったが、交通量の増加に伴い、通行車両の振動
         や接触などで、下部は土中に埋没した状態になっていた。
          そこで、この保存のために財団法人大場代官屋敷保存会が中心となって、当館へ移設されたも
         のである。
          なお、道標のあった場所には、そのよすがを留めるために同型の石碑が建立され、次の銘文を
         刻んでいる。
          「ここにあった道標は区立郷土資料館前庭に移築す。
             財団法人 大場代官屋敷保存会世田谷上町町会  平成14年11月 世田谷区教育委員会


             



   ● 世田谷区立郷土資料館


                      



   ● 野外展示物 (C) 世田谷区立郷土資料館の正面側にあります。


            




                      



    庚申塔
      銘文  (左側面) 右り 江戸道
           (正 面) 庚申塔
           (右側面) 左り 世田ヶ谷四ツ谷道
           (背 面) 文政十丁亥年十一月吉日   用賀村下講中

      年代  文政10年(1827)

      伝来   中国の道教では、人間の体内にいる三戸(さんし)が庚申の夜に抜け出し、天帝にその人の
           罪過を告げるというので、庚申の夜には身を積んで徹夜をせよと説いた。
           この守庚申(しゅこうしん)の信仰は、日本に伝わり奈良・平安時代には宮廷を中心に広まった
           が、民間に浸透するにあたって仏教や神道の影響を受け変容した。
           江戸時代には庚申堂が建てられ、庚申講が組織されるようになった。
            この庚申塔は用賀村下講中によって建立されたもので、道しるべの役割を持つものである。
           青山大山道が三軒茶屋で二手に分かれて用賀三丁目で再び合流する地点にあったものであ
           る。 交通量の増加に伴って、一時真福寺境内に保管されていたが、同寺から当館へ寄贈さ
           れたものである。


        (庚申塔説明文)・・(左側面)・・(正 面)・・(右側面)・・(背 面)


             



    標石
      銘文  (正面)  品川領用水御普請所  天保七申歳二月

      年代  天保七年(1836)

      伝来   寛文二年(1662)、熊本藩主細川越中守綱利の弟・若狭守利重が品川領戸越に抱屋敷を
           取得したが、その邸内の泉池用に野川村新川より仙川養水を分水して戸越上水を開削した。
            仙川養水は境村(現武蔵野市)から玉川上水を分水したものであった。
           細川家ではこれを寛文六年に廃止したが、早損に苦しんでいた品川領宿村の農民がこの古
           堀を用水として賜りたいと願い出て、翌七年幕府の許可を得た。
           灌漑用水としては細小だったため、同九年幕府は水路の拡張工事を行った。
            品川用水は、本区だけでも烏山・粕谷・廻沢・船橋・世田谷・弦巻・世田谷新町・馬引沢の
           旧八か村を流れ、全長七里(約二十八キロメートル)にも及ぶものであった。
           上流で数ヵ所の分水口が設けられたことなどから、品川領宿村までの引水量は充分ではな
           く、用水をめぐる争いが絶えなかった。


        (標石説明文)・・(左側面)・・(正 面)・・(右側面)・・(背 面)


              



    供養塔
      銘文  (左側面)  右 府中道
           (正 面)  文化十酉年
                  (梵字) 馬頭観世音   二月吉日
           (右側面)  左 大山道   用賀村

      年代  文化十年(1813)
 
      伝来   農家にとって、馬は収入の源であり財産であった。
           馬頭観音は、命を失った馬を弔うために建立された供養塔である。
           この供養塔は、用賀4−11−1の三叉路にあったもので、道標を兼ねていた。
            昭和初期、近くにあった火の見櫓撤去の際に取り外され無量寺門前に移設されていたが
           昭和42年に無量寺より当館に寄贈された。


        (供養塔説明文)・・(左側面)・・(正 面)・・(右側面)・・(背 面)


              



    庚申塔
      銘文  (左側面) 北 府中道
                  (文化力)   □□十三丙子年□月吉日
           (正 面)  庚申塔 東目黒道 瀬田村
           (右側面) 南 六かう(六郷)道
           (背 面) 造一基庚申供養願
                 叶為□
                    石居重良右ヱ門  矢藤佐右ヱ門
                    矢藤彦右ヱ門    新倉藤五良
                    角井市良右ヱ門  矢藤久右ヱ門
                    同 伝右ヱ門    星谷善太良
                    星谷三良左ヱ門  金子喜兵衛
                  □□月□日□武州荏原郡

      年代 文化十三年(1816)

      伝来    この庚申塔は、昭和三十年代には旧瀬田町会事務所敷地内にあったが、昭和十八年十一
           月当館に寄贈されたものである。
           当所は現瀬田一丁目と上野毛三丁目との境になっている現駒沢通り付近にあったのではない
           かといわれている。


        (庚申塔説明文)・・(左側面)・・(正 面)・・(右側面)・・(背 面)


             



    庚申塔
      銘文  (左側面)  東ハ赤坂道
           (正 面)   庚申供養
                  西ハ大山道 講中八人  延享四丁卯十二月吉日
           (右側面) 右 めくろミち
           (背 面)  □道

    年代  延享四年(1747)

      伝来   この庚申塔は、旧大山道に面して(駒沢2-17-1)あったが、昭和六十年十一月に当該地の
           加藤登喜一家から当館に寄託された。
                      平成十五年一月


        (庚申塔説明文)・・(左側面)・・(正 面)・・(右側面)・・(背 面)


             




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