<<菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓 3>> (画像をクリックすると、大きくなります) |
役割 加賀藩の政治の中心で、藩主の住居でもあった「二の丸御殿」を守る役割を持っていました 長屋の用途 長屋とは、石垣や土塁の上に建てられた長大な建物で、防壁と倉庫などの役割を兼ねてい ました。 櫓の用途 櫓は「矢倉」とも書かれ、武器などの倉庫に使われ、見張りの役目も持っていました。 ● 五十間長屋 規模:2層2階建 高さ10. m 長さ約98m (菱櫓と橋爪門続櫓をつなぐ長屋) 名前の由来 建物の長さが約50間あることから五十間長屋と呼ばれています。 役割 武器や非常用の食料などを保存する倉庫として利用されていました。 その他の長屋 往時の金沢城には、現存する三十間長屋をはじめ、四十間。七十間、九十間長屋と呼ばれ るものもありました。 ● 木組(柱脚部口)展示 仕口や継手は部材を繋ぐ木構造の独特の方法。 柱脚部は、柱の周りに縦横の足固めを緊結し、接合部で地震が基礎に伝わるように工夫されている。 組立前 * (足固め4)・・・(足固め1)・・・(足固め2) * (左/足固め4)・・・(右/足方め2) 組立完了 * (左/足固め4)・・・(右/足固め2) * (足固め1)・・・(足固め3) ● 木組(二階床部仕口)模型 二階の床を支える菱柱、胴差し、根太等の組み合わせ部分を示したもの。 各部材の接合点には、軸組の剛性(強度)を高め、乾燥収縮による木材の変形に対応するため、 複雑な仕口(接合方法)を用いている。 ● 木材の種類 柱:ヒノキ 床・壁・小さな梁:能登ヒバ「別名アテ(県木)」 二階丸太梁:マツ 二階梁上の小屋組:スギ 大断面の梁(一部):米ヒバ 組立前 * (胴差)・・・(胴差) * (胴差)・・・(根太) 組立完了 * (胴差・鯱栓)・・・(胴差) * (柱)・・・(根太)・・・(胴差) ● 3階へ ● 橋爪門続櫓 規模等:3層3階建 高さ14.69m 構 造:菱櫓と異なり、長方形の櫓 荷揚げ場 建物の中央部は、もともと吹き抜けの開口部でした。 武器や食料を二階にあげるための荷揚げ場として利用されていたと考えられています。 この開口部を利用し、昔ながらの構造を変えることなくエレベーターを設置しています。 * (窓から) ● 再び2階へ ● なまこ壁 工法 中塗りした土壁の上に平瓦を張り、目地を漆喰で塗り固めたものです。 名前の由来 目地の漆喰の形が海に生息するナマコ(海鼠)に似ているのでこの名があります。 土塀に用いられた場合は、なまこ塀と呼ばれます。 なまこ塀に隠された鉄砲狭間 石川門に続く土塀や「鶴の丸土塀」などのなまこ塀の内側には、手法狭間(鉄砲を撃つための 穴)が隠されています。 ● 土塗り壁の工程 工法 竹で編んだ竹小舞の上に、 1荒土付け 切り藁を混ぜた土(金沢駅付近から採取)を、団子状にして塗り込める。 ↓ 2目潰し 団子状の荒土の隙間を埋める。 ↓ 3むら直し コテを使って、荒壁面を調整する。 ↓ 4中塗り 下地の仕上げとして仕上げの厚さまで塗り重ねる。 ↓ 5砂漆喰塗り 乾燥させた土壁に砂漆喰を塗る。 ↓ 6白漆喰塗り 仕上げとして、白漆喰を薄く塗り重ねる。 の6工程を経て完成します。 雨や雪から建物を守るため、堅牢な6層構造にしています。 ● 建具(土戸)断面模型 この建物の出入り口や窓の引き戸は、板戸の表面に土を塗った土戸を用いている。 板戸の表面に土を塗った土戸を用いている。 板戸の外面に縄巻きをした竹小舞を打ち、荒土をつける。 壁と同じ手法で中塗りまで行い、表面を漆喰で塗り上げる。 重くなるので底に戸車を付けている。 外部からの火を防ぐ防火戸の性能を持つ。 ● 鉛瓦 工法 屋根の下地に木で瓦の形をつくり、その上に鉛板(厚さ:約1.8mm)を張ります。 なぜ、鉛瓦? 鉛瓦を使った理由には諸説があります。 「荷重の軽減」、「美しく見せる」、「加賀藩で鉛が余った」など。 「戦の時に鉛を溶かして銃弾に加工した」という説も・・・。 (画像をクリックすると、大きくなります) ● (入口へ) ● |