<< 観音堂−→鐘楼 −→稲荷社 >> ● 観音堂 西方寺が移転してくる前からこの地を守って下さっている十一面観音様をお祀りしているお堂です。 木造十一面観音菩薩立像(横浜指定有形文化財/彫刻 平成29年11月2日指定) 所有者・・・宗教法人 西方寺 技法・・・ヒノキ材割矧ぎ造り、素地 寸法・・・・・像高 106.3cm 時代・・・平安時代後期 西方寺観音堂の秘仏本尊で、髪際高(はっさいこう)を三尺に整えた造像です。 素朴な表情や穏やかな肉どり、彫りの浅い衣文表現などに、平安時代後期、十二世紀頃の 特色が顕著で、当寺の移転以前から現在地にあったという観音院の像であった可能性があ ると思われます。 全体に経年による損傷が著しく、平成23年の東日本大震災の際にも転倒して足柄を損傷し 自立できない状態に至っていましたが、平成28年の修理で造像時に近い姿を回復しました 12年に1度、子年の春に公開されます。 現在の横浜市北東部地域の平安時代後期の造像の様相を示す作例として貴重です。 平成30年3月 横浜市教育委員会 西方寺観音堂秘仏本尊 十一面観音菩薩像の保存修理について 旧小机領三十三所子年観音霊場の第15番札所である西方寺観音堂には、平安時代後期、12世紀 の作と推定される十一面観音菩薩像が本尊として安置されています。 本尊は、鎌倉の地に創建された西方寺が、室町時代・明応年間(1492-1501)に、横浜市港北区新 羽町の現在の地に移転してくる以前から、当地に伝えられていたもので、現在も、12年に一度、子 年の春のみに御開帳される秘仏として、人々の篤い信仰をあつめています。 本像は、平安時代の十一面観音菩薩像の優品でありながら、全体に損傷がいちじるしく、2011年3 月の東日本大震災の際にも、転倒して足柄を損傷したことから、早急な保存修理の実施が不可欠 な状況にありました。 そのため西方寺では、公益財団法人朝日新聞文化財団の文化財保護助成を受けて、2016年度に 本像の保存修理事業を実施しました。 本事業では、 (1)本体をいったん解体したうえで、各材を適正な位置に組み直し、構造の補強を施すこと (2)本体の後補の漆箔・彩色を除去し、像本来の優れた造形をよみがえらせること (3)後補の光背、台座についても、遊離した部材の接合と構造補強を施し本体及び光背の自立の 安定化をはかること を主な目的として、保存修理を実施しました。 今回の保存修理により、後補の漆箔・彩色がされた本像は、穏やかな微笑みを浮かべた優美な表 情や緩やかな曲面の連続で構成される肉どり、浅く整えられた衣文など、制作当初の優れた造形が より明瞭に把握できるようになりました。 また、本体及び光背・台座の構造補強が施されたことにより、将来にわたる、より安定した状態での 保護が可能になりました。 十一面観音菩薩像 (平安時代・12世紀 木造 像高106.3Cm 左/保存修理前 右/保存修理後) ● 鐘楼 (横浜市指定文化財) 正面一間、側面一間、入母屋造、茅葺きです。 建立年代は幕末期。 当時の梵鐘は戦争中に供出してしまい現在の梵鐘は先代道海和上により昭和50年に再鋳したもの ● 稲荷社 (観音堂の左側) (画像をクリックすると大きくなります) ● (入口へ) ● |